【卒業後の視点】
前回の記事で経済的な不安を解消したとろろいも将軍です。お金の不安が消えても、親の子どもに対する悩みは尽きることはありません。特に、子どもの心の成長や反抗期、そして進路の決定は、ひとり親にとって、また一つ大きな壁として立ちはだかります。
しかし、私もまた、皆さんが想像する以上に大きな壁にぶつかりました。子どもが起こした学校での大きな事件、そして経済的な現実を突きつける進路の選択。これらを乗り越えた結果、長男は自衛官、長女は会社員という自立した道を選んでくれました。
この記事では、私が経験した最も困難な時期を正直に語り、そこから学んだ**「子どもを信じる」コミュニケーションの秘訣**をお伝えします。今、不安の渦中にいるあなたへ。私の体験を通して、あなたの頑張りは必ず報われることを、卒業後の視点からお約束します。
1. 子育てで「一番不安」だった時期と乗り越え方
私が子育てで最も不安だったのは、実は反抗期そのものではなく、離婚したばかりの時期でした。
当時、子どもたちは小学校3年生と2年生。幼かったからこそ、親の離婚という大きな環境変化に対し、どう反応すればいいのか分からず、感情を押し殺して私に気を遣っていたように感じます。「彼らが無理をしているのではないか」「心の傷が残ってしまうのではないか」——。幼い子どもたちの心のケアこそが、当時の私にとって一番大きな不安でした。
この時期を乗り越えるために、私は**「愛情表現を大げさにする」**ことを心がけました。物理的なスキンシップや、「大丈夫だよ」という言葉を過剰なほど使い、安心感を伝えることに集中しました。この土台が、後の困難を乗り越える基盤になったのだと今は感じています。
2. 親子関係の転機:「高校3年・無期停学」事件の真実
ありがたいことに、わが家の息子と娘は、私に対して直接的な反抗期らしい反抗期を迎えることはありませんでした。親子関係は比較的良好だと思っていたのです。
しかし、その平穏な関係が一変する大きな事件が起こりました。息子が高校3年生の秋、卒業間近という時期に、学校で先生に暴力を振るい、怪我をさせて無期停学になってしまったのです。卒業の危機に直面し、これほどの大きな壁にぶつかったのは、私にとっても青天の霹靂でした。
2-1. 親としてどう向き合ったか:逃げずに謝罪と激励
「なぜこの時期に」「どうして」という感情が渦巻きましたが、親として私がまず決めたのは、 **「問題から逃げない」**ことでした。
息子に強く伝えたのは、「他人に暴力を振るうことは絶対にいけない。やってしまったことに対しては誠意をもって先生に謝罪すること」です。厳しい状況ではありましたが、「これを破ったら親子関係を続けるのは難しい」と突き放すのではなく、「親子で一緒に頑張ろう」と激励し、彼を支える姿勢を貫きました。
2-2. 無期停学中のコミュニケーションが変えたもの
無期停学中、私は仕事から帰ると意識的に息子とコミュニケーションをとるようにしました。実は、高校生になり会話が減ったのは「話しかけたらウザいだろう」と私が勝手に思い込んでいたからです。
極力、しょうもない会話でも、時には笑いもあるようなコミュニケーションをとるようにしていたら、意外と普通に会話が成立しました。この時、勝手な思い込みで会話を諦めて離れていってしまった自分を、心から後悔しました。
無期停学という厳しい状況は、皮肉にも、私たちの親子関係を立て直す最大の転機となったのです。
3. 進路の壁:経済的な現実と「子どもを信じる」サポート
事件を乗り越え、卒業の道筋が見えてきた後に直面したのが、進路の選択でした。
私は息子にも娘にも、**「大学までは無理!」と正直に経済的な現実を伝えました。
**当時、貯金がほとんどなかったため、無理に進学を勧めることはできなかったからです。
この正直な状況の開示に対し、子どもたちは「わかっていた」というような様子で冷静に受け入れてくれました。この時も、彼らが親の苦労を察してくれていたのだと、胸が熱くなりました。
3-1. 学校の先生方の「熱いサポート」への感謝
自衛官という長男の選択も、長女の会社員という道も、親である私から押し付けたものではありません。
特に就職に関しては、停学処分というハンディキャップがありながらも、学校の先生方が最後まで熱意をもって寄り添い、サポートしてくださったおかげで、彼らは自立の道を見つけることができました。私たち親子だけでは乗り越えられなかった壁だったと、今でも学校の先生方の熱いサポートに心から感謝しています。
親としてできることは、子どもが選んだ道を心から応援し、自信を持って社会に出られるよう背中を押すことだけでした。
4. 12年間で得た最大の教訓:会話の「量」ではなく「質」
12年間の経験を通して、私が得た最大の教訓は、親子間の「会話の量」ではなく「質」を重視すること、そして**「親の勝手な思い込みで会話を諦めてはいけない」**ということです。
高校生の息子に「ウザいだろう」と思って会話を避けていた私が、事件を機にコミュニケーションを再開し、親子関係を修復できた事実は、この教訓を裏付けています。
子どもが思春期を迎えて口数が減っても、それは必ずしも「拒絶」ではありません。
**親の方から歩み寄り、どんなにしょうもない話でも、その瞬間を大切にすること。**これが、反抗期や進路の壁を乗り越えるための、揺るがない信頼の基盤となるのです。
5. まとめ:卒業後の視点から見える景色
経済的な不安から始まり、子どもの将来という大きな壁にぶつかった私たち親子ですが、
今、子どもたちが自立した姿を見ると、心から喜びと達成感を感じます。
あの時の無期停学中の不安や、進路について正直に話さなければならなかった苦悩も、
すべて親子間の信頼を深めるための貴重な経験でした。
今、子育てに悩み、夜中に一人で不安になっているあなたへ伝えたいのは、**「大丈夫、あなたの頑張りは必ず報われます」**ということです。子どもは親が思っている以上に親を見ています。
誠実な愛情と、逃げない姿勢を見せ続ければ、必ずその努力は実を結びます。
あなたの孤独な戦いが、必ず未来の希望に繋がることを、私は卒業後の視点から確信しています。


